ピンチはチャンス
「人間万事塞翁が馬」
中学生のときに、このことわざを習った。
内容はこうだ。
昔、中国のとある村に、占いが得意な老人がいた。
ある日、老人の飼っていた馬が逃げてしまった。
周囲は「不幸だ」と騒いだが、老人は「これが幸運に変わるかもしれない」と言った。
しばらくして、逃げた馬が、立派な馬を連れて戻ってきた。
周囲は「幸運だ」と祝ったが、老人は「これが不幸につながるかもしれない」と言った。
その後、老人の息子がその馬に乗って落馬し、大怪我を負った。
だが戦争が起きたとき、怪我のために徴兵を免れ、命をつなぐことができた。
「幸不幸は表裏一体。
何が幸いで、何が不幸かなんて、誰にもわからない。」
これが「人間万事塞翁が馬」の教えだ。
当時は、「ふーん、深そうだな」くらいにしか思わなかった。
でも今、
この言葉の重みを、腹で知っている。
これを信じてこれたから、いまがある。
1|突然の大金と、そこからの崩壊
10年以上前。
まだ、娘も小さかった頃、
一度、ものすごい大金を手にしたことがある。
とあるくじで、奇跡的な高額当選を引き当てた。
家族で海外旅行に行ったり、
日本中を旅した。
念願だった株式投資も始めた。
欲しかったものを、たくさん揃えた。
「最高だ」と思った。
でも──
そのあと、家庭は崩れていった。
楽しかった記憶もある。
でも、たしかに、あのタイミングで何かがズレた。
良いことが、悪いことに変わる。
これが、まさに人間万事塞翁が馬だった。
2|すべてを失い、すべてが始まった
13年間働いた大手塾の会社。
最優秀表彰もとった。
長年、校舎長もやった。
部下もたくさんいた。
給料もよかった。
でも、体が壊れ、心がついてこなかった。
思い切って、辞めた。
収入はゼロ。
不安しかなかった。
過去の失敗、離婚(娘との理不尽な別れ)、経済不安、孤独、未来の見えなさ。
いま思えば、あのときは人生の「どん底」だった。
またくるからしっかり備えろ。
でも──
そこから、すべてが動き出した。
- 最高の相性のパートナー(妻)に出会った
- 命をつなぐ息子に出会った
- 理想の土地に移住した
- 海に出会い、サーフィンに出会った
「失った」と思った決断が、
すべての始まりになった。
これも、まぎれもない人間万事塞翁が馬だ。
3|“結果”に振り回されないって、めちゃくちゃ強い
あらためて思う。
人生で本当に大事なのは、
「これは幸運」「これは不運」と決めつけることじゃない。
どんなことがあっても、
“物語の一部”として受けとめる力だ。
良いことがあった。
でも、調子にのらず備える。
悪いことがあった。
でも、「この先、何かが変わるかもしれない」と信じて動く。
それができれば、
人は何度でも再構築できる。
4|だから──
ほしいものがあるなら、リスクを取れ。
経験を愛せ。
「苦労は勝手でもしろ」に近い。
それしかない。
どんな結果になっても、
一喜一憂するな。
すべて、物語の一部だと思え。
堂々と、乗りこなせ。
それが、人生を生きるってことだ。
最後に。
「人間万事塞翁が馬」
言葉で聞けば、わかるかもしれない。
説明されたら、納得できるかもしれない。
でも、本当に生き方にまで染み込ませるには、
鍛錬がいる。
痛みも、葛藤も、立ち上がる練習も、いる。
わからなかったら、
苦しかったら、
言ってこい。
必ずできる。

教育と人生を、ゲームのように“攻略”する。
スパルタ野球、中学受験、迷走と挫折、そして再出発。
出会いと学びを経て、たどり着いたのが今の塾のかたち。
男子専門塾「ひなたひかり塾」代表。
15年の指導経験と、自身の“攻略”体験をもとに、
特に男子に特化した個別最適な声かけ・導きを得意としています。
塾は、ただ勉強を教える場ではなく、「人生をどう攻略するか」を学ぶ場所。
楽しみながら本気で向き合えば、子どもは必ず変わる。
スプラ・サーフィン・子育て・教育を愛する本音系先生です。
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